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人事評価制度運用での「面談」の意義について

2015.6.16.

ある会社の人事評価制度の策定検討会でのことです。
「四半期単位」で上司による部下面談を実施するように提案したところ、ある部長曰く・・・、

 

・「いやー、うちの部ではほとんど毎日、部下とコミュニケーションをとっているし、業務
フォローも頻繁に行っているので、改めて四半期単位で面談を持つ必要性があまりないの
ですが・・・。四半期単位での面談ルールはルールとして別に構いませんが、実施するしない
は部で判断させてもらえませんか・・・」

 

とのこと。

 

皆さんはどのようにお考えになりますでしょうか?。

 

確かに、日々良好なコミュニケーションがとれ、業務の進捗を上司と部下の双方で把握して
いれば、改めて四半期単位での面談は不要のような気がします。

 

しかし、それでもやはり四半期単位での面談は必要なのです。
(※四半期に拘るわけではありません。一ヶ月単位でも半期単位でも、個々の会社の事情に合わ
せて設定すればよいと思います。)

 

何故かといいますと・・・・・

 

現場で実施している日々のコミュニケーションや業務フォローは、おそらく、業務そのものに
スポットを当てているのではないでしょうか。

 

例えば、

「部下の当業務は計画通りに進んでいるか、何か問題が発生していないか、発生
した問題にどのように対応すれば良いのか」など、仕事そのものの生産性(効率性
と効果性)に焦点を当ててフォローを行っているのではないでしょうか。

 

これはこれで何の問題もありません。しっかりとフォローし、生産性高く業務が完遂できれば
それに越したことはありません。

 

それでは、四半期単位でわざわざ時間をとって上司と部下が向かい合って面談を行う意味は、
一体どこにあるのでしょうか。

 

それは、仕事にスポットを当てるというよりも、「人そのものにスポットを当てる」ことに
大いに意味があるのです。

 

日々の業務フォローはどちらかというと、人材育成よりも仕事の生産性を優先して行います。

 

でも、人事評価制度の運用での「面談」は違います。
人そのものにスポットを当てて、「どのようにすればスキルが向上するのか、モチベーションが
上がるのか」、あるいは、「自分のステップアップに向けた課題をどう自覚し改善するか」
・・・などをすり合わせる場なのです。

 

人事評価の評価項目をベースにして、今の自分の仕事ぶりやスキルを振り返った時に、どこに
どのような課題があるのかを気づき、改善の決意をする場なのです。

 

ちなみに、人事評価項目は人材育成と表裏一体の評価項目と内容であるべきで、また、その仕事
ぶりの水準がイメージできるような形で整備されていることが前提となります。

 

いずれにしても、「仕事の改善」と「人材の改善(育成)」を混同してはなりません。
私たちは、仕事の改善には日々注意を払いますが、「人の改善」はどうしても後回しになりがち
です。

 

「人の改善」も意識し、本当の意味での人材育成型の人事評価制度の策定と運用を実現したい
ものです。

 

 

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