2016.9.2.
「結果は後から付いてくるは本当か?」にある方からお問い合わせがありました。
ご紹介しますと・・・
・「目標と目的の違いは理解できるが、これを業務評価といった観点から説明して
ほしい」
とのこと。
前回コラムの要点は
・やるべきことをきちんとやれば、結果は後から付いてくる。
・やるべきこととは、「現状とあるべき状態を正しく認識し、そのギャップを
整理し、その解決策を考え実行する」といった仕事ぶりである。
これらを本人と上司(会社)がそれぞれの立場で行うことが大切。
・何故、「やるべきことをやる」のか?
目標(成果)実現のためではなくて「目的実現」のため。目標(成果)が実現
できなくても、目的に適うような仕事ぶりならば、結果は後から付いてくる。
といった内容でした。
この目標と目的にはどのような違いがあるのでしょうか。
目標は目的を達成するためにあるものです。目的がない目標はあり得ません。
すなわち、目的とは、「何故それをやるのか」ということであり理念やビジョンに
近い性質のものです。
それに対して、目標とは、「その目的を達成するための手段として実現したい実績
や状態」なのです。
例えば、「新たな商品開発に向けた○○の取り組みを行う(目的)」ために、
「来期は営業利益三億円を目指す(目標)」ということなのです。
これを、人材育成といった視点から「リーダーシップ」を例に取って説明しましょう。
・目標~指定納期までに当該業務を完遂すること
・目的~進むべき方向を部下と共有し、モチベーションを上げ、部下を主体的な
仕事ぶりに変革すること
たとえ業務の完遂が納期に間に合わなくても、目的に沿った仕事ぶり(リーダーシップ
の発揮ぶり)であれば、それは必ず先々で成果につながる、すなわち、目的に適う
仕事の仕方なのです。
部下の意見や主体性を無視して自分本位の強引なリーダシップで目標達成できたと
しても、部下のモチベーションは下がり、その後の仕事にも影響が出るでしょう。
適切なリーダーシップを発揮することこそが、将来の継続した成果獲得につながる
のです。すなわち「結果は後から付いてくる」のです。
もちろん、目標達成はとても大切です。大いにこだわりを持って取り組んで頂きたい
ものですが、それ以上に目的に適う仕事ぶりかどうかをいつも意識することが
大切です。
「結果は後から付いてくる」、これは目的に適う「やるべきこと」をやれば必ず実現
します。
そして、この目的に適う仕事ぶりを評価制度の中でキチンと示すことで、会社の
経営戦略と現場レベルでの仕事ぶりが、理屈ではなく実際にリンクしていくのです。