ブログ

管理者の存在意義と評価について

2017.2.26.

●人事評価基準書(人事評価シート)作成の重要なポイントの一つとして、

 

・「どのような発想・視点で評価項目を設定するか」

 

といったテーマがあります。

 

 基本中の基本としての発想・視点は、

 

・「自社の経営課題や人材課題と表裏一体となった評価項目を設定する」

 

ということですが、今回は少し違った発想・視点で評価項目を考えてみたいと思い

ます。

 

●まず、人事評価基準書(人事評価シート)を策定する場合、通常の作成パターンと

して、

 

・部門別(又は職種別)に作成する場合

・階層別(一般層・管理者層・上位管理者層、又は等級別など)に作成する場合

・上記二点の複合で作成する場合

 

がありますが、今回は、階層別、特に管理者層の人事評価基準書を策定する場合の

評価項目の設定の発想・視点についてご紹介します。

 

●どのような発想・視点かといいますと・・・

 

・「管理者の存在意義と連動させて評価項目を設定する」

 

といった考え方です。

 

 

●それでは、管理者の存在意義とは一体何なのでしょうか?

管理者の存在意義には三つの視点があります。

 

    経営者から見た管理者の存在意義

    部下から見た管理者の存在意義

    自分自身から見た管理者の存在意義

 

それでは順にご紹介しましょう。

 

≪①経営者から見た管理者の存在意義とは≫

 

経営者にとって管理者とは自分の分身です。

経営者は会社の存続・発展に係わる意思決定と会社の将来の方向づけに多忙で

あり、管理者や一般社員と同様に日常業務に直接携わることはなかなかできま

せん。

 

そこで、経営者は、管理者に自分が考えていることを的確に察知してもらい、

自分になり代わって日常業務を遂行してもらうことを求めています。

 

ちなみに、経営者の分身としての管理者の姿には三つの段階が存在します。

 

・メッセンジャーボーイ的管理者

   ~経営者の指示をそのまま部下に伝える管理者

・広報マン的管理者

   ~経営者の出す指示の中から、経営者の言わんとしていることを咀嚼して、

部下が仕事をしやすいように説明・指示をすることができる管理者

・業務責任が果たせる管理者

   ~経営者が不在のときでも経営者になり代わって物事を考え、処理すること

ができる管理者

 

管理者の能力の高さは、彼がどの程度経営者の代行ができるかで決定されます。

経営者の指示をそのまま部下に伝えるだけでは、何かの困難が発生した場合、

業務が停止されてしまう恐れがあります。

 

従って、業務の円滑な遂行のため、あるいは管理者自身の成長のためにも、

今自分はどのレベルの管理者であるかを知り、常に今以上のレベルに達する

よう努力し続ける必要があります。

 

≪②部下から見た管理者の存在意義≫

 

部下にとって、管理者とは仕事・生活の両面における指導者であり、同時に良き

理解者でなければなりません。

 

若き部下、特に新入社員にとって会社での生活は未経験であり、会社での物事の

考え方、接し方は皆目見当がつかないものです。

 

彼は分からないことがあれば周囲の人に尋ねたり、周囲の人の言動を見て自分

自身の身の振り方を考えていきます。

 

このとき、彼がもっとも注目する人は管理者なのです。

管理者は業務が円滑に遂行されるように部下に仕事を割り振り、部下が業務遂行

上支障をきたさないように指導・教育します。

 

部下が自分の身の振り方を考えるとき、また判断基準を求めるとき上司である

管理者の言動に注目したり、助力を求めるのはごく自然の成り行きといえるで

しょう。

 

管理者には、部下が早く正しい行動がとれるようによく考えて、指導・教育して

いくことが求められます。

 

≪③自分自身から見た管理者の存在意義≫

 

管理者としての自分にとって、管理者とは一体どのような存在なのでしょうか。

人によってさまざまな管理者観があると思いますし、「上司と部下からの板挟み」

という声が聞かれないわけではありません。

 

しかし、管理者としての自分自身のこれからの人生を考えた上で答えるならば、

 

・「事業家に向けての一過程の期間」

 

であると言えるのではないでしょうか。

 

もちろん、管理者の方に事業家として独立を勧めているわけではありません。

要は、目標を明確にしてその実現に向けて常に自己成長を続けるための一過程

(プロセス)であるということと同義なのです。

 

 

以上が、管理者の存在意義の三つの視点です。

 

そして、管理者としての意義(価値)をこのように定義付け、三つの存在意義の

最大化を自社の管理者に求めるならば、選定すべき評価項目や期待要件は今まで

とはまるで変わったものになるはずです。

 

 このような考え方や視点で評価制度を整備するならば、どのようなものになるの

でしょうか。次回にご紹介したいと思います。

お問い合わせ

お問い合わせはこちら

04-7169-1711

  • お悩み解決のヒント(その1)
  • お悩み解決のヒント(その2)
  • お悩み解決のヒント(その3)
  • 経営者ブログ