ブログ

「働き方改革の決定的手法」~働き方改革実現ノウハウ ~労働時間短縮と付加価値向上を同時実現する手法(前半)

2017.7.30.

本年3月の国の「働き方改革実現会議」で下記の実行計画が決定されました。

①同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善
②賃金引上げと労働生産性向上
③罰則付き時間外労働の上限規制の導入など長時間労働の是正
④柔軟な働き方がしやすい環境整備(テレワークなど)
⑤女性・若者の人材育成など活躍しやすい環境整備
⑥病気の治療と仕事の両立
⑦子育て・介護等と仕事の両立、障害者の就労
⑧雇用吸収力、付加価値の高い産業への転職・再就職支援
⑨誰にでもチャンスのある教育環境の整備
⑩高齢者の就業促進
⑪外国人材の受け入れ
特に③の時間外労働は、現行では36協定の締結により月45時間、年間360時間
の時間外労働が可能となっています。また、臨時的・突発的な事情がある場合は、
この上限をさらに超えて協定することが可能です。
これは「青天井」とも揶揄される特別条項で、実態的には上限規制があってないよう
なものです。
今般の働き方改革の実行計画に伴い、今後の法改正では、青天井と言われている上限
規制が年間720時間と明確に設定される見込みです。
加えて、下記の要件もクリアすることが必要となる見込みです(これらが守れない
場合の罰則も設定される見込みです)。
◇2ヵ月・3ヵ月・4ヵ月・5ヵ月・6ヵ月の平均でいずれにおいても休日労働を含んで
 80時間以内
◇単月では休日労働を含んで100時間未満
◇月45時間を超える特例の適用は年6回が上限
また、これらの時間外労働の規制強化に伴い、労働生産性への取組みはまさに待った
なしの状況です。今後の企業競争力を決定付ける大きな要因になるどころか、企業
存続にも影響を及ぼす問題と言っても過言ではありません。
更に、他の働き方の環境整備なども考えると、特に「仕事の生産性向上への取組み」
と「人事評価制度の見直し」は必要不可欠であり、今後ますます会社としての最重要
テーマになるのではないでしょうか。
例えば、同一労働同一賃金は人件費アップが懸念されます。その時、原資確保できる
かどうかはとても重要なテーマです。年功給廃止や個人の生産性評価はますます進行
するでしょう。
しかし、果たして生産性の差が処遇の差になり得るのか、そもそも生産性をどのよう
に測るのか・・・など、いろいろと課題は残ります。
いずれにしても、人事評価制度の見直しはとても重要なテーマです。
※但し、人事評価制度の本来の狙いは評価することではありません。あくまでも人材
育成であり、結果として生産性向上が実現できる仕組みとしての人事評価制度の整備
と運用が大切です
「人事評価制度と働き方改革」は別の機会にご紹介するとして、本コラムでは「労働
生産性(≒)業務生産性」について、その問題や対応策を整理してみたいと思います。
■■■労働生産性(業務生産性)向上について■■■
上述のとおり、労働生産性向上(業務生産性向上)は今や待ったなしの状況です。
以下の観点からご紹介してみたいと思います。
(1) 業務生産性と企業競争力の関係
(2) 何故、今まで業務生産性向上が進まなかったのか
(3) 業務生産性を阻害する要因
(4) 業務生産性を阻害する要因を取り除くための3つの視点
(5) 業務生産性向上の具体的な手法と進め方
※(3)(4)(5)は次回コラムでご紹介致します。
(1)業務生産性と企業競争力の関係───────────────────────
企業間競争は「正しい戦略の保有と、それを実現する組織対応スピード」で決定付け
られます。組織対応スピードとは、すなわち、経営者・管理者・一般社員すべての
業務対応スピードのことです。
例えば、今までの半分の時間で、
・意思決定ができる
・顧客のニーズやサービスに対応できる
・部門のマネジメントができる
・部下育成ができる
・課題や問題への対応ができる ・・・ など
このようなことが実現できれば、業務生産性は大いに向上します。そして、企業間競争
において圧倒的に優位に立つことができます。
(半分の時間とは言葉の綾で、10%減、20%減など、いずれにしても「時間短縮」
という意味です)
また、スピードが高まれば、打ち出す戦略の幅そのものが広がり、より多くの選択肢
の中からより効果的な手を打つことができます。
すなわち、この業務対応スピードを徹底的に追求していくと、戦略さえもより好ましい
ものに変えることができるのです。
(2)何故、今まで業務生産性向上が進まなかったのか───────────────
今までのいわゆる“改善活動”は一時的な成果に終わりやすく時間がたてば元の状態
に戻ってしまっていました。何故でしょうか。
それは、「意識革新と行動革新」がないからなのです。これがあって初めて業務革新は
根付くものです。
私たちの仕事の実態を振り返ると、仕事がただの行動習慣になってしまっています。
最初は生き甲斐・やりがいがあったのですが、いつの間にか人生そのもの(人生=仕事)
になってしまっています。
しかし、いつか仕事から離れる時がくるのです。その時に何をよりどころにすればよい
のか?・・・。
仕事を生き甲斐・やりがいの対象としつつ、あくまでも人生の重要な一部分という
位置にとどめ、仕事以外で生き甲斐・やりがいを見出すことが必要なのです。
このように考えると人生の大部分を占める労働時間過ごし方を今一度考えなおして
みる必要あります。
例えば、会社の労働時間のルールに拘束されることなく自分の価値観に基づいた
時間の使い方・過ごし方を考えてみる(もちろん最低限のルールを守った上で制度
に縛られない時間の過ごし方を考える)。
例えば、
~30分早く出社して一日の仕事の段取りを整理する(仕事の生産性が大いに高まる)。
~週末の15時過ぎ頃に一週間の仕事ぶりの反省と来週一週間の仕事のスケジュールを
 行う。どのような手配をしておけば能率よく仕事が片付くかを考える。
この時、プライベートな時間についてもキチンと計画を立てることがとても大切です。
プライベートを精一杯満喫した上で仕事もきちんとやろうとすれば、仕事の仕方を
工夫して、できるだけ能率よく仕上げたいと考えるものです。
サラリーマンはある意味、時間の切り売りで収入(給与)を得ています。
能率悪いため残業やれば残業手当がでますが、このような環境こそが、自分の時間
の大切さを強烈に認識できていない要因なのです。環境そのものが時間の大切さを
認識できないようになっているのです。
意識と行動が変われば、生産性上げて早く帰れるようになります。
残業手当が減少し会社はコストダウンが実現できます。しかし、社員は・・・?。
賃金を働いた時間の長さを尺度に評価するのではなく、成果とプロセス、そして
成長度・改善度を軸にして評価することが求められます。
あるいは、きちんと仕事をこなして生産性を上げて時短ができたことが確認できれ
ば、残業手当分をプールして賞与で還元することも可能です。他にも様々な工夫が
可能です。
要するに、賃金さえ確保できれば社員に本当にゆとりを与えることができるのです。
しかも会社の収益も上がりますし競争力も高まります。
(3)(4)(5)は次回コラムでご紹介致します。

お問い合わせ

お問い合わせはこちら

04-7169-1711

  • お悩み解決のヒント(その1)
  • お悩み解決のヒント(その2)
  • お悩み解決のヒント(その3)
  • 経営者ブログ